パッケージ・組込み開発

概要

パッケージ・組み込み開発は、ソフトウエア製品（プロダクト型ソフトウエア）の開発を行う仕事です。
自分が開発を手がけた製品が世の中を動かしていくという点において大きなやりがいがあり、ものづくりが好きなスペシャリスト志向の方が多く見られます。

パッケージ開発では、セールスフォース、サイボウズ、勘定奉行などに代表されるように、汎用的に企業に導入可能なパッケージソフトを開発します。
業務系ソフトの開発は成熟していますが、エンタープライズIT領域（B to B）とコンシューマーIT領域（B to C）が結合しつつあることから、近年ではモバイルソフト開発・ビッグデータ＆CRM開発・クラウド開発など新たな分野の開発ニーズが生まれています。
具体的には、セールスフォースのように、膨大な顧客データを分析してアクションに結びつけるCRM開発はその典型例です。

一方、組み込み開発では、携帯電話、家電、車載機器などのCPUに実装するソフトを開発します。
起動時から動くプログラムとなるため、その開発には精度の高さが求められます。多くの場合、組み込み開発のエンジニアは、自動車などメーカーの開発部隊やソフトウエアベンダーで活躍しています。
近年では、仕様設計を日本人エンジニアが担い、開発は海外エンジニアが担うオフショア開発が増えています。
例えば、サスケンでは、日本人エンジニアが組み込み開発の仕様設計を担い、開発を担うインド人エンジニアをマネージしています。

なお、パッケージ・組み込み開発はソフトウエアの製品開発を行うという点において、クライアント企業のオーダーメイドで業務支援システムを開発するSIerとは性質を異にしています。
但し、近年では、SIerが組み込み開発の一部を担うというケースも見られます。

求められる人材要件

パッケージ開発のエンジニアは、C、C++、JAVAなどソフトウエア開発言語が使えることは絶対条件で、基本的に開発経験が必須となります。但し、学生時代に理系で機械・電気などを専攻した若い方であれば、開発未経験でも育ててくれる企業も見られます。

組み込み開発のエンジニアは、OSがない実行環境での開発やデバイス・ドライバの開発など、開発に際して扱う範囲が非常に広いことから高度な開発知識・経験が求められます。
したがって、開発言語を熟知していることはもちろん、開発対象となるOSについても幅広い知識が必要です。
なお、組み込み開発ではソフトウエアの変更・更新が困難なため、エンジニアには高い開発精度が求められます。

また、近年の組み込み開発では、日本人エンジニアが仕様を設計した後で海外のエンジニアに開発させるオフショア開発が増えており、人材マネジメントスキルが求められるようになっています。
これに伴って、英語でのコミュニケーションが図れるエンジニアは市場価値が高くなります。

年収水準

パッケージ・組み込み開発のエンジニアの年収は、開発する製品価値とも連動するため、どの製品開発に関われるかによって変化します。
基本給がそれほど高くないように見えても、残業代によって年収が膨らむことが通例です。
また、メーカー所属の場合には、福利厚生の処遇も充実しています。
以下は、参考としての年収水準です。

日系企業

30歳前後：500〜700万円
40代：700〜1000万円超

外資系企業

開発マネージャー：1000〜1200万円超

なお、組み込み開発エンジニアについては、メーカーにおけるエンジニアと豆蔵やサスケンなどの外部企業におけるエンジニアとでは年収に開きがあります。
一般的に、外部企業エンジニアのほうが、100万円～200万円程度高くなっています。

ネクストキャリア

パッケージ・組み込み開発の経験を重ねたエンジニアは、多くの場合、プロジェクトマネージャーに昇進していきます。
一方、プリセールス、技術開発、コンサルタントに転身する方も見られます。
例えば、Microsoftでパッケージ開発エンジニアがR&D部門に転じてクラウド開発に携わるケースや、アクセンチュアなどのコンサルティングファームで活躍する組み込み開発エンジニアがモバイルメーカーの製品開発コンサルタントに転身するケースが挙げられます。

また、開発するソフトウエアの製品価値によって年収が変動することから、より製品価値の高い開発環境に転職して年収アップを実現するというケースも増えています。
さらに、パッケージ・組み込み開発の経験を活かしつつ、ニーズの高まっているモバイル技術・ビッグデータ・CRM・クラウド等での製品開発にシフトすることで、年収アップや環境チェンジの転職を実現することも可能です。